なにか得る

日々『得ている』こと発見日記

父親嫌い。父親と映画館に行く。

父親と映画を観てきました。

先日、父親を誘って映画鑑賞。

観た作品は「TAXi ダイヤモンド・ミッション」

カーアクションでハラハラあり、登場人物のやり取りに笑いあり。

あまり考えずに楽しめる映画でした。

 

父親と2人で映画館に行くということは、今まで一度もありません。

映画どころか、2人でどこかへ行くということ自体ありません。

理由は、自分が父親を嫌いだからです。

 

なぜ、父親が嫌いか?

自分が物心ついたころから両親の仲は悪く、

両親の仲が良い時の記憶が全くと言っていいほどありません。

 

自分が小学生の頃は、両親ともにまだ若いので、ケンカにもいきおいがありました。

逆に自分はまだまだ、小さく非力なので止めることもできませんでした。

 

幼稚園、小学校、中学校は両親の仲の悪さに振り回される日々。

日頃の両親の口ゲンカも絶えず、聞くだけで疲れ、さらに愚痴も聞かされ、

次第に両親を嫌い、憎みはじめていました。

 

実家を出るころには、嫌いを通りこして憎かったのですが、

実家を出て、自立したころに感情に変化が出始めました。

 

納得する。

自立して、生活をしてみると、仕事に家事と忙しい毎日。

ふと、両親のことを思い出し、仕事と家事に加えて、

子供3人を育ててきたことは、すごいことだと考えるようになりました。

 

お互い、家族のためを考えていたけど、意見が食い違ってケンカをしていた。

どちらも家族のために必死だったのだろうなと思いました。

 

それでもケンカに巻き込まれて大変な目にあったことは、許せませんでした。

しかし、お互い大変だったんだろうなと、両親のケンカに納得する自分もいました。

 

納得して少しだけ、両親のことを理解できた。

そんな風に考えが変わった頃でした。

 

映画館に連れていこう。

いつか、父親を映画館に連れて行いこうという考えが出てきました。

映画館に行こうと考えた理由は2つあり、

 

1つ目は、父親がよく洋画をテレビで観ていたこと。

 

2つ目は、小学生のころ、父親が遠くに出稼ぎへ行くことになった時のこと。

妹たちと一緒に、ポケモンの映画を観せに映画館へ連れて行ってくれたことを、

何故か思い出したからです。 

 

しかしなぜ、父親を連れて行こうと思ったのかはこの時は解りませんでした。

親孝行をしたかったわけではありません。

 

映画館に父親と行ってみて気が付いたこと。得たもの。

自分は両親を嫌っていたわけではないことに気が付きました。

ただ単に両親に仲良くしてほしかった。あの険悪な状況を嫌っていた。

 

今回、なぜ映画館だったのかは、きっと父親との楽しかった思い出の中で、

映画館に映画を観に行ったことが印象的だったからだと思います。

映画館へ行くことでまた楽しいことがあると、心のどこかで感じたのだと思います。

 

そして、得たものは・・・

昔に得られなかった父親との何気ない時間です。

 

映画館で父親との時間を過ごしたことで、

不思議なことに、つらかった日々を送っていた子供の頃の自分を救えた気がします。

親孝行をしたかったわけではなく、両親と楽しい時間を過ごせなかったと感じている

子供の頃の自分を救いたかったのかもしれません。

 

今の自分から過去の自分を救うこともできる。

そう思います。