振りカエル~デイケアに通う、他の利用者さんと交流する~
デイケアに通って少したった頃
デイケアに通ってしばらくの間は、一人でずっと座っていたのですが、
何日か経つと、ほかの利用者さんから、ちらほら声をかけてもらうことが増えました。
確か最初に声をかけてくれた利用者さんは、すこし年上の主婦の方でした。
お互いに自己紹介をして、なんでここに来ているのかを話したり聞いたり
当たり障りのない会話をしました。
その他にも、手前のテーブルに集まって会話をしている
年配の女性の方々のグループに気を使われ、「こっちにおいで」と呼ばれ
主婦の井戸端会議のようなものに参加することもありました。
といっても自分は聞くだけですが、それはそれで良い経験でした。
またある日は、おじいちゃんグループに呼ばれ、トランプ(大富豪)に参加したりしました。
ある日、「少年は将棋できるか?」とおじいちゃんに声をかけられ、
ルールは知っていたので「できます。」と答えると
「じゃあ、一緒に将棋しよう!」と将棋盤のある部屋に連れられて将棋を指すことになりました。
その日以降は、このおじいちゃんとそのほかの将棋を指す人のグループと一緒に
主に将棋を指す日々が日常になりました。
慣れてきた頃に感じたこと
デイケアに慣れてきたころ、主に将棋を指していたのですが、
他のレクリエーションなどにも参加できるようになっていました。
疲労感もほとんどなくなっていて、他の利用者さんとも交流できるようになり、
デイケアに通うことが楽しく感じるようになっていました。
ただ、長期的にいると、楽しいこの場から抜けきれなくなるような不安もありました。
そんな時、精神科の先生から聞かれたのが
「デイケアには慣れた?」でした。
「はい、慣れました。」というと、
「でも、そこはあなたの本当の居場所じゃないからね、自分の本当の居場所に戻るための場所だからね」と言われ、
やっぱりそうだよなと改めて認識することになりました。